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ボルトアンペア(英: Volt-ampere、VA)とは、皮相電力をあらわす単位である。(ウィキペディアより引用)
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ツイッター企画【フリーワンライ】に投稿した掌編です。
https://twitter.com/freedom_1write/status/474906065851514880


―――――


 そこはいやに黴臭く、しかしその植物ですらないものたちの群れ成す息吹によって、私はハッと気が付きました。とてつもなく長い階段を、下へ下へと降りていたのです。階段とはいっても、真っ直ぐなそれではなく、どうやら渦を巻いているらしかったのです。その上、一段がいやに高く急勾配なものですから、私は錆びて鉄臭い手すりを頼りに、ゆっくりゆっくりと降りていくのです。下はどこにつながっているのか、常にヒンヤリとした風が私の汗ばんだ体を撫で癒すので、息は上がり、ふくらはぎはパンパンに張っているのですが、その風のお蔭でどうにか降りつづけることが出来るのでした。唯一困ったことと言えば、私の持つ蝋燭の火が、幾度となく脅かされることです。始めのうちは後ろ向きで歩いてみたり、手で覆ってみたりといろいろ試してみたのですが、降りつづけていくうちに、その蝋燭が少しも減っていないことに気が付きました。それからは占めたものです。息が上がる今時分までは、揚々と降りたものです。
 しかし私は、いつからこんな階段を降りつづけていたのでしょうか。いつになったら終わるのでしょうか。はたまた上へ登ってはいけないのでしょうか。しかし私は気が付いた時から階段を降りつづけていましたので、「登ってみよう」などと妄想はするものの、実際にそんな大それたことをする勇気は、生憎と持ち合わせてはおりませんでした。私が持つ蝋燭に終わりがないように、私の「降りる」にも終わりはないのかもしれません。そんなことを思うと却ってぞっとしないでもありませんでしたが、「登る」勇気に比べたら、「降りる」は大して問題がないような気がします。
 そんなことを思いつつも、私は今も慎重に、慎重に、急勾配の階段を降りつづけています。動くものと言えば蝋燭のゆらめきと物言わぬ黴くらいなものですから、私の物思いがいやに饒舌になることをお許しください。
 そうこうしているうちに、とうとう階段の終わりがやってきました。
 ――ああ! 夢にまで見た「降りる」の終わりだ!
 そう思ったのはただの一瞬のことでした。終わってしまえばなんてことはないのです。何故ならば、終わりとはつまり、もう何もない、ということなのですから。私は落胆しました。「ほうっ」とため息をつくと、今まで頑固なまでに私の足元を照らし続けていた灯が、ふっと消えました。
 そして、どこか上の方から「ぼおおおおん、ぼおおおん」と何かを叩きつけたような音が聞こえてきました。

 そこで私ははっと目が覚めました。敷きっぱなしのために黴臭くなった布団の上に、私は寝ていたのです。窓の外を見ると、遠くにそびえる時計塔が「おおおおおん」と鐘の音の余韻を告げておりました。

<了>

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ブログを書くのは2カ月ぶりです。こんばんは。
にににににににに二か月、、、。

突然ですが、小説始めました。
いや実は全くの初めてというわけではなく、高専時代にちょぼちょぼとショーモナイ落書きを書いていたりしたのですが。
題材は今のところ二、三本あたためておりまして、一つは以前J,Gardenで冒頭を漫画としてアップしました「インクの市三ちゃん」。漫画を買ってくださった方には大変心苦しいのですが、以後、小説として展開予定です。申し訳ありません。
もう一つは前記事でアップしていた「老化二十面相」。



TWITPIC/突発ネーム

こちらは現在執筆中&ピクシブに第一幕をアップしております。
「蛹二つ【老いた二十面相と小林青年の話】第一幕」

まだ未熟な文章ではありますが、よかったらご一読くだされば幸いです。

っていう告知でした。オチなどない。

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すっかり遅くなってしまいましたが、J庭36お疲れさまでした。
お越しいただいた皆様、ありがとうございました。

「インクの市三ちゃん」は次回J庭で続きを発行できればと思っています。
もしよろしければ、また、よろしくお願いいたします。


ところで、江戸川乱歩にひっさびさにハマりました。
幻想・怪奇・ロマン、たまんないです。
洞穴と時計塔とからくり日本家屋と鍾乳洞と、、、。
よくわかんないけどわくわくが止まらない!

とりあえずSNSにちょこちょこアップしてたやつ、こっちにも上げときます。
よくわからない脳内フィルターを通過してるので改変注意です。


【老獪二十面相】



年老い、ついに捕まってしまった二十面相。
たまに小林「青年」が訪ねてくるが、
二十面相は彼にかつてのライバル明智の面影を幻視する、
みたいな妄想。



【孤島の鬼】



勝手にキャラデザ。




曲馬師の少年を菓子でつって情報を得る、の図。




捕り物帳、ではない。

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例の読む人を選ぶ系漫画の件です。







サンプル修正版をアップしました。

J庭36新刊サンプル(訂正版) | WATT_J庭36け02a [pixiv] http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=41973943


あと、看板はだいたいこんな感じ。
http://twitpic.com/dx3wk1

喋り出すと言い訳しか出てこなさそうなので割愛。
あ、やっぱり一言だけ。多分読みづらいです。

当日はよろしくお願いします。

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例のやつ。

下書き

多分ペラい本のうえに続き物になると思います。

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